【海外でも上棟式はする? 気になるお祝いの方法とは】
家を新築する場合、日本では上棟式を行い、神事や餅投げなどで盛大に祝われますよね。ご近所さんが集まり、わいわいと盛り上がる瞬間です。
最近は、上棟式を簡略化するケースも増えていますが、それでもよくある光景であることには変わりありません。
それでは、海外でも新築のお祝いを行うのでしょうか?
今回は、海外の新築祝いについて、くわしくご紹介いたします!
そもそも日本の上棟式とは
海外のお祝いに触れる前に、最近は上棟式を知らない方も増えているため、日本の上棟式についても知っておきましょう。
「上棟式は家ができたときにするもの」
と思っている方も多いのですが、正確には家の完成ではなく、棟上げしたときに行われます。棟上げとは、柱や梁などが完成した状態を指し、屋根や窓などが取り付けられる前の骨組み状態のことです。
ご近所付き合いなどで餅まきのみ参加するケースも多いのですが、もともとは無事に棟上げを迎えることができたことを祝う儀式です。
本格的に行う場合は、棟梁が魔除けの札を立てたり、破魔矢を飾ったりした後、施主や棟梁のあいさつ、祈願、直会(会食や宴会)、施主からのご祝儀、の手順を踏んでお開きとなります。その他に、あいさつや祈願のみ、というケースや、米や塩、酒を建物の四方にまく地域も。
餅まきを行う場合は、祈願後に行います。
誰でも参加可能で、お餅だけでなく、お菓子やお金をまく場合もあるなど、住んでいる場所によって内容は様々です。
上棟式のルーツは海外?
「上棟式は日本古来の伝統……」
そんな風に思っている方も多いと思うのですが、この風習。実は海外から伝わったものなんです。
その歴史は古く、古代のスカンジナビアまでさかのぼります。
スカンジナビアとは、スウェーデン、ノルウェー、デンマークのあるスカンジナビア半島全体のことです。
古代スカンジナビアでは家を建築する際、木の霊をしずめるため、宗教的儀式として上棟式を行っていました。それが、各地へ広まり、日本でも上棟式という習慣が生まれたんですね。
そのため、日本の上棟式のような儀式が、北ヨーロッパをはじめ、世界中で行われています。
本場デンマークの上棟式
上棟式が始まったとされる、本場スカンジナビア半島にあるデンマーク。
上棟式は「rejsegilde」と呼ばれ、骨組みが完成した時点で、儀式が行われます。
常緑樹の枝葉をリースのように丸くして作った飾り物と、デンマークの国旗、リボンやテープを家の一番てっぺんにかざすのが一般的で、その見た目はとっても可愛らしいもの。
リースの部分は、きれいな丸い輪にするため、使わなくなった自転車の車輪が使われる場合もあるそうです。
ドイツの上棟式
ドイツの上棟式も、デンマークに似ています。
新築の家をみてみると、丸い輪状のリースとカラフルなリボンを屋根の上に飾っている様子が伺えるでしょう。名称は「Richtfest」です。
ドイツの上棟式では、このリース上の枝葉だけでなく、王冠のような飾りを乗せたり、クリスマスツリーのようにカバノキをそのまま飾ったりするケースもあります。デンマークのように、国旗を飾る習慣はありません。
アメリカの上棟式
アメリカやイギリスでも、トッピングアウトと呼ばれる上棟式が行われています。
基本的には、デンマークやドイツと同じで、骨組みができた時点で常緑樹の飾りをつけ、幸運を祈ります。
高層ビルが立ち並ぶアメリカやイギリスでは、大規模な建築物が完成した時にも上棟式を行います。市長をはじめ、政治家や地域の著名人があつまり、盛大に竣工を祝う日です。
日本でも、多くのビルで上棟式が行われています。鉄骨が完成した時点で、工事関係者やビル関係者が集まり、工事の無事が願われます。
上棟式に招かれたら?
最後に、知り合いやご近所さんの上棟式に招かれたら、どうすれば良いのでしょうか?
「持っていくものはある?」
「上棟式のマナーは?」
知っておきたい、ルールを覚えておきましょう。
上棟式に参加する場合、神職さんが来るような場合は、準正装や略礼装、そうでない場合は、男性であればスーツ、女性であればスーツやアンサンブルなどで構いません。足場が良くありませんので、パンツスタイルがおすすめです。ハイヒールは避けましょう。
家族の場合はご祝儀としてお金を包む場合もありますが、友人やご近所さんの場合は、日本酒やビール、お茶などの飲み物を持参するのが一般的です。
餅まきのみ呼ばれた場合は、手ぶらで行ってもかまいません。
たくさんの人が集まってくれればくれるほど良いと言われていますので、お祝いの言葉を述べながら、にぎやかに楽しみましょう。
まとめ
上棟式のルーツはスカンジナビア半島。そんな遠くから来たとは、驚きですね。
簡単に建てられる注文住宅が多く、棟上げのタイミングがない家も多いですが、せっかくの節目。家を建てるなら、周りを招いて、上棟式をしてみるのも楽しそうです。