謎だらけのイスラム式ウェディング
人気のモロッコでの結婚式とは
最近は旅行先としても注目を集めてきているモロッコはアフリカ大陸の北側に位置しており、国民のほとんどがイスラム教徒です。イスラム教の風習で、結婚するにはまず新郎が新婦の家族に結納金として莫大なお金を納めなければならず、充分に貯金のない男性は外国へ出稼ぎに行ったりして何とか大金を用意するそうです。
花嫁は準備が大変
結婚式は花嫁の準備から始まります。式の前日には花嫁はハマムと呼ばれる浴場で身を清め、手の甲から腕に向かってヘンナと呼ばれる魔除けと幸福を呼び寄せると云われているボディーアートを施します。これはヘナという植物で出来た茶色い特殊な染料で、一見タトゥーの様ですが植物素材なので肌に害もなく、一週間ほどで色も自然に落ちていきます。
開始時間が夜23時?
結婚式当日、式開始の平均時間はなんと23時。式場へ入ると、まずは牛乳とナツメヤシが配られます。イスラム教徒はお酒を禁止されているため、飲み物はすべてノンアルコールとなります。また、驚くのが座席を男女の部屋に分けるということ。最近では都心部を中心に男女一緒に行う地域も増えてきてはいるようですが、イスラム式伝統の結婚式では基本は別々です。新郎新婦が入場するまでは男女は各部屋で食事したり、踊ったり歌ったり写真を撮ったりと盛り上がります。人数も200〜300人と大規模なので、中には新郎新婦が入場して来る前に食事だけいただき帰っていく人も‥。
モロッコ結婚式のお色直しとは
モロッコの結婚式でもうひとつ驚くのが、お色直しの数。一晩に4〜5回も衣装チェンジされ、新しい衣装で登場するたびに新郎新婦は日本のお神輿のような台に乗せられて登場し、また写真撮影大会が始まります。衣装は純白の伝統衣装や真っ赤なドレスなど派手できらびやかなモロッコの民族衣装が一般的ですが、最近は近代化してきた都市部を中心にウェディングドレスを着る新婦も増えてきました。また、女性ゲストの衣装も以前は肌を見せないよう顔までしっかり覆っていましたが、最近では自由になってきており普通に顔を出している女性も多いようです。
女性は大変
結婚式は朝の5〜6時ごろまで続き、日が昇るころになってやっとゲストは家路へ着きますが、女性にはこの数時間後に片付けという作業が待ち構えています。解散した数時間後に再び会場に集まり、家族総出で片付け作業が終わると、新婦が再び登場し女性だけでお祝いをします。ピラミッド型に並べたお菓子を食べながら、歌ったり踊ったりと結婚式の後でもお祝いムードは続きます。